創作日誌 12/11(月)

本日の稽古では、ついに本編冒頭の台本が配られました。

以前ご紹介したように、まず卒業式実行委員長(※以下委員長)(榎並夕起)が卒業式のプログラムを読みあげ、校長(藤田慶輔)vs生徒会長(熊谷有芳)の構図になるシーンから。
シーンと言うか、ネタ。

稽古の4分の3くらいはこのシーンの時間となりました。
読みつつ、アガリスク恒例いきなり立ち稽古。

冨坂「校長と生徒会長の間に机がある想定で書いたんだよなぁ」
会議コメディやりすぎの弊害でしょうか。
体育館の舞台袖に机?
まあなんとかなるでしょうと長机を置いてシーン稽古を進めます。

後から、可動式の演台じゃないか説が強まりました。

 

(左より校長・藤田、委員長・榎並、前田※代役、生徒会長・熊谷)

後ろの前田さんは本日お休みの星さんの代わり。
有志の司会(星秀美)は、当日の詳細など何も知らずに引き受け、
後を絶たないトラブルに驚いたりツッコんだりする人です。

シーン稽古では台本の加筆・修正がガンガン行われます。
さらに「校長と生徒会長のバックグラウンドによって台詞変わっちゃうかも」とも。

通してやってみて、冨坂「3人のタイム感が全然違う」とのこと。
情報量のある台詞が並ぶのですが、聞かせる台詞ではなく「テンポだけ」で演じるシーン。
最近の稽古場では「コント」「ネタのシーン」とよく呼びます。
お笑いのテンポ・リズム・間を大事に作っていきます。
また、決まりのルール(ex.同じやり取りが繰り返される場合、話者や単語の順序を統一する、など)を見つけてそれ通りに台詞を並び替えたりします。

このシーンで大事になるのは、校長と生徒会長のバトルの矛先が互いに向くときと委員長に向くときとの切り替えや、
それを止める(というか仲裁というかなんとか引き延ばして先に進めようとする)委員長がいかにボールを持つか(≒自分のターン。共演者のテンポに流されず、自分が支配する時間のことをアガリスクではよくボールを持つと表現します)などで、スピード感やリズム感が大事な楽しげなシーンです。

 

このシーンの後は、榎並と同じく卒実委員の津和野が登場し、全校生徒の合唱について実際に曲を流しながらあーだこーだツッコむシーン。
シーンというか同じくネタ。
おそらく、校長vs生徒会長のネタよりももっと単発のネタネタしいネタ。
こちらは実際にある有名な曲を使う予定です。
エチュードでそのシーンを作ってみました。

 

この後のシーンはなんだろうかと話すと、「美術部の絵だろう」ということに。
トラブルが次々と襲い掛かってきます。
沈さんはお休みでしたがみんなでネタ出しなどしてこの日は解散。

 

さて、今日から不定期で出演者にコメントをもらっていきたいと思います!
誰がいつ登場するかは気まぐれですので、どうぞチェックを忘れずに!

まず今日は主人公の卒業式実行委員長役の榎並さんです。

 

榎並さん、今日の稽古はどうでしたか?

 

榎並夕起(アガリスクエンターテイメント)
本日はプレ稽古3日目。冒頭が少し台本あってその稽古を中心にやりました。が!!早速巨大な壁にぶち当たっております榎並さん。理解力がえらい低い私に皆が総動員で色んな方向から教えてくれてありがてぇ限りでした。でもこれもプレ稽古期間特有のものだと思うので今のうちに習得するぞー。
あとはジェスチャーで教えてもらった時が分かりやすかったので、身体と一緒に動きながらやると理解が早いのかもしれません。あとは一箇所出来ればその後は繰り返してやれそうな気がする!ので、まずはそこだよねぇと。
あとは、東京03のコントいっぱい見て勉強します。なにかオススメの動画があったら榎並まで教えてください!
ぜんっぜん関係ないけど電車で目の前のカップルがいちゃつきすぎ問題がだいぶしんどいです。笑

わあ、本当に全然関係ありません。

続いて冨坂さん、どうでしょう。

 

冨坂ノート

プレ稽古でした。
今日は冒頭部分、たぶんこの芝居のファーストシーンになるんじゃなかろうか的な、卒実委員長榎並(+有志の司会・星秀美)、生徒会長熊谷、校長藤田の三人で、今日の卒業式のプログラムを確認する、っていう…まぁコントみたいなシーンです。
榎並がプログラムや壇上に設置するものを確認していきたいのに、熊谷や校長が「あ、違いますねー」「いや、違くはないですねー」とすぐ論争になってしまう、という。
ちょっと書いて持ってきたのでやってみる。

式当日までにどのぐらいの議論が交わされているのか、国旗国歌論争部分のディテールをまだ決めていないので、そこらへんはフワッとしつつ、時に空白を「ナントカカントカ」で埋めてもらいつつ、返し稽古。
セリフが埋まっていないことによる弊害はあったけど、結構ネタとして成立するシーンだったんじゃないかと思う。
校長は校長らしい落ち着きと、ネタの性質としてノータイムで発するところが整理されれば。熊谷は余裕ぶって即答するところと喧嘩腰で即答するところの切り分けができれば。
まぁあとは間に挟まれた榎並の、振り回されて戸惑うリアクションが、“ツッコミの機能を合わせ持”つのが肝要。

たぶんこのネタって、お芝居の最初でもあるし、ウケるかどうかが客席の様子によって結構バラつき安いと思うんですよね。ともすると「生徒と校長が真面目なことで論争している説明のシーン」になってしまう。「笑うべきシーンなんだ」として見られない可能性がある。
そういう時、「今これは面白いことが起こってるんですよー」ということをお客さんに解説する役目=ツッコミとして、間に挟まれる卒実委員長の存在が必要だったりする。
なので、「熊谷がこう来て、藤田さんがこう来たら、こうなる」っていう一種類の正解を決めるんじゃなく、「常にこの二人を捌ける状態」になっている必要がある。

それって大変だし、だったら元から「面白い人」「ネタをやる人」というイメージを持たれている俳優にその役割を担わせりゃ話は早いんだけど。
でも登場人物の配置的に、この話を象徴するこのメンバーで始めなきゃ意味ないのと、あとは主人公の卒実委員長を最初から「面白い人」「ネタをやる人」として認知させておけばその後が楽なんですよね。なんせずっとそいつを中心に進むんだから。だからハイリスクだけどハイリターンな人選でもある。なので頑張りましょう。あれ、私信になっちゃった。

でも総じて良い感じでした。
実は今日、熊谷さんと藤田さんの喧嘩が軽妙じゃなければ、滑稽じゃなければ、より漫才っぽい掛け合い『笑の太字』冒頭のシーンで感じをつかんでもらったり、ミニ・ディベートゲームをやったりしようか、と次善の策を考えていたんですが、全然必要なかった。

その後、津和野登場からの卒業式の歌唱の曲目に関するネタを膨らまそうと思ってエチュードに。でもやっぱこれは曲の尺と絡むから、完全に俺が書いて完パケして持っていった方が良いな。まぁ曲流しながらビジョンは共有できたからいっか。

あと、今日本人はいない中で、沈の(やるであろう)役・「絵が間に合っていない美術部」の話が雑談で超膨らんだ。この役美味しすぎだろ。

そんな感じの、ネタ出しと台本の両方やった、稽古らしいプレ稽古でした。