執筆中の独り言by冨坂②「榎並夕起を主役にしたはなし」

さて、脚本・演出の冨坂が執筆前のあれこれ考えてることを整理するために、そしてアイドリングのために吐き出すこの連載です。
基本的に「創作過程を公開」なもんで、ここに書いてあることが本番にそのまま反映されるかどうかはわかんないんですが、今回と次回は特にそう。
配役の話です。

今回は珍しく主役らしい主役を決めました。榎並夕起です。
まぁ前回公演『そして怒濤の伏線回収』でも伊藤圭太さんの「飯田」って役が主役っぽかったですが。あれは書いてるうちにどんどん飯田が主役ポジションに躍り出てきて、自分でもあわわ…となりました。
それとは違って、今回はビジュアルからもあらすじからも、明確にスタート段階から主役を定めています。


チラシ表面 (モデル:榎並夕起 写真:石澤知絵子 デザイナー:津和野諒)

【あらすじ】
校内、紛糾。交渉、決裂。そして迎える式当日…!

3月8日朝、卒業式実行委員長・榎並夕起は頭を抱えていた。

自主自律を重んじ、卒業式の企画・運営も生徒が主体となって行ってきた国府台高校に、突如降ってきた「卒業式での国旗掲揚・国歌斉唱問題」。
職務命令のために実施しなければならない教員側と、自治のために反対する生徒側。政治思想も巻き込んで、校内世論は真っ二つ。解決のための協議も決裂。
どちらのプログラムで式を執り行うのか、決まらないまま式当日を迎えてしまったのだ。

校門前には街宣車。火花を散らす生徒と教師。介入してくる保護者にOB。
果たして卒業式実行委員は無事に式を遂行することができるのか!?
委員長は憧れの先輩の卒業式を成功させることができるのか!?

ーーーそして、開式の時間がやってきた。


メインビジュアルもだけど、あらすじに名前入れるの緊張したんすよね。しかも役名じゃなくて本名パターンだから、あとで配役を変更することもできない。ここに載せたら、もう榎並で行くっきゃない、という。

今回は「卒業式での国旗国歌」とか「自治」という、題材からして触れづらくて、ややこしくて、共感を得られるかどうかも微妙な話です。
なので概念とか抽象的なものではなく「人」「かわいらしい」「ポップでセルアウト」を押し出そうと思ってました(ここらへんはチラシの話書くときにするんじゃないかと)。

そして「卒業式」っていう設定を加味した結果「先輩に恋する女子高生」なんていう、考えうる中で最もポップでセルアウトで甘ったるくてIQ低くて恥ずかしい主人公像を定めました。
それを『ショウ・マスト・ゴー・オン』でいうところの「舞台監督」のポジションに据える、と。
「憧れの先輩から委員長を引き継いで、その先輩の卒業式を成功させようとする卒業式実行委員長」です。あー恥ずかしや。

で、それを説得力を持ってやれる人物を考えたところ、外部からタレントさんを呼ばない限り、榎並夕起だろうなーと思って。
実はこの設定って2016年くらいから考えてたんですけど

それもあって『わが家の最終的解決』後に榎並夕起に「劇団員にならない?」って言ったんすよね。
もちろんそれだけじゃないんだけど、決め手としては「この構想を劇団公演としてやりきるため」に。
そしたら本人も「このつぶやき見て、この役は私がやりたいと思ってたんすよね」と言うもんだから、じゃあこれは行ったるか、と決心したわけです。

まぁ、現状では主役として足りない部分(エネルギーとか身勝手さとか)も沢山あるので、本番までになんとかしなきゃ行けないなーと思うのですが。

…という、「主役を決めたよ」の話でした。
思えば構造こそいびつだけど『ナイゲン』だって「どさまわり」の話でしたね。あれはどさまわりが主役なのか議長が主役なのかちょっとよくわからないんですが。

次回は今考えてる他のキャストの配役(超仮だけどな!)を書きます。


アガリスクエンターテイメント第25回公演
『卒業式、実行』
2018年2月17日(土)〜2月25日(日)
@サンモールスタジオ
11/25(土)10:00より先行販売チケット発売開始!明日だよ!明日!

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