執筆中の独り言by冨坂①「会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてる」

脚本・演出の冨坂です。

さて、『卒業式、実行』の執筆に際して、というかまだ書く作業になってないんだけど主に書くまでの構想とかを、せっかくだから公開していこうと思います。
アイドリングにもなるしね。
一応通し番号をつけてみますが、きちんと順序立てて構成されてないし、継続して論が展開していく感じでもないです。ただの長い呟きだと思ってご覧ください。

今回の話は「卒業式当日の舞台裏」なんですよね。「当日」ここ大事。
つまりは「現場」の話なわけです。

アガリスク作品の舞台は
『ナイゲン』(=会議室)
『時をかける稽古場』(=稽古場)
『紅白旗合戦』(=会議室)
『そして怒濤の伏線回収』(=会議室)
となってます。

要するに全部「準備段階」の話なんです。
はたまた『バラシの夜に』なんていう学生の文化祭の片付けの話もありましたが、「準備」であり「片付け」であり、要するに「本番」を描いてないのです。

「演劇なんてのは祭だから祭りそのものを描く必要はない」とか「祭の前後にこそポエジーがある」とか「ちょっと違った視点がかっこいい気がする」とか色々理由はあるんですが、結局僕はそういう瞬間が好きなのかもしれません。
そして準備だったり会議の話だから「屁理屈」も「議論」も育ったのかもしれません。現場で屁理屈こねても相手にされないし、議論に付き合ってもらえないし。

でも今回の『卒業式、実行』は「卒業式の当日の舞台裏」です。
『紅白旗合戦』と変えるためとか、ややこしい題材だから勢いを持った話にするためとか、色々理由はあるのですが(そこらへんは今後書くことでしょう)ともあれ、「現場」です。
向こう側に多くの観客を控えた、やり直しのきかない、失敗のできない「本番」です。
(※それでも描くのは舞台の表じゃなくて裏なんですけど。ここは性分。)

本作は「屁理屈」が「理屈」が「理」が、「トラブル」だったり「トラブルシューティング」だったり「咄嗟の判断」によって蹂躙されていく話になるでしょう。
我々的には作劇術としても「屁理屈」「会議コメディ」じゃない一歩を踏み出さざるを得ない公演で新しいフォームを開発しないと死ぬ作品。
お客さん的にはほぼ間違いなく新しいアガリスクが見られる公演。

屁理屈シチュエーションコメディ劇団が描く、屁理屈が通じない話。
会議の話ばっかりやってた劇団が描く、現場の話。

「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてんだ」

ってことで。
ぜひ見に来てください。


アガリスクエンターテイメント第25回公演
『卒業式、実行』
2018年2月17日(土)〜2月25日(日)
@サンモールスタジオ
11/25(土)11:00より先行販売チケット発売開始!

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よろしくお願いします。